慢性下痢4つの原因と種類・治療について
ノロウイルスなどの病原性ウイルスや
食中毒菌による感染性胃腸炎で起こる下痢を
「急性下痢」と言います。
急性下痢・慢性下痢の違い
急性下痢は、
- 急激に起こる
- 一時的に起こる
のが特徴で、症状がおさまれば元に戻ります。
(後遺症を除きます)
これに対して、
- くり返し起こる
- 長く続く
下痢を「慢性下痢」と言います。
過敏性腸症候群もこれに分類され、
慢性下痢の大半を占めていると
言われています。
慢性下痢の原因
原因はいろいろありますが、
主に言われているものは4つ。
1.浸透圧によるもの
浸透圧(水分を呼び込む力)が高い食べ物を
食べると、便のもとに水分が含まれます。
それが、腸で十分に水分が吸収できずに
そのまま出ていってしまうのが「浸透圧性下痢」。
多糖類や乳糖などの糖や、
人工甘味料のとり過ぎで
起こりやすいと言われています。
主な人工甘味料
など。
アステルパームは、食品表示では
「L-フェニルアラニン化合物」と
表示されています。
下痢をしやすい人は、これらの
人工甘味料のとり過ぎに注意しましょう。
2.腸からの分泌液によるもの
腸からは、消化のために腸液などの
消化液が分泌されています。
何らかの原因で、この消化液が
過剰に分泌されると
便の水分が増える
↓
下痢をする
ということに。
過剰分泌の原因としては、
- 細菌やウイルス感染
- 暴飲暴食
などがあげられます。
3.炎症で滲出液がにじみ出ることによるもの
腸に炎症が起きていると、そこから
滲出液(しんしゅつえき)がじわじわ出てくる
場合があります。
その水分が原因となって、下痢が起こります。
また、炎症が起きている腸は
消化・吸収の能力が落ちています。
そのため、
水分を吸収しきれない
↓
下痢を起こす
というのが、もう一つの原因です。
滲出性下痢にあたる病気としては、
潰瘍性大腸炎やクローン病などが有名です。
4.ぜん動運動に異常が起きているもの
腸が便を送り出す動き(ぜん動運動)が
活発になり過ぎると、水分が吸収されないまま
排出されてしまいます。
腸を過剰に動かす原因としては、
- 自律神経のバランスが崩れている
- 緊張やストレスによってホルモンが異常分泌される
などがよく知られています。
過敏性腸症候群の症状は、まさにこれ!
一度起こってしまうと、自分の力では
もうどうすることもできないのが
つらいです……
慢性下痢の治療について
病院を受診すると、生活指導とともに
整腸剤や乳酸菌が処方されます。
過敏性腸症候群の場合は、
タイプにあわせた薬もあります。
ここからは個人的な意見なのですが、
薬は万能ではありません!
慢性の下痢は、身体からのSOSです。
一番大事なのは、生活を改めること。
そしてストレスをなくすこと。
それが遠回りなようでいて、
一番早く改善にたどり着く道です。
あと、最近、食品アレルギーから
慢性の下痢を起こしている人が増えている
という記事がありました。
何をしてもあまり効果が見られない場合は、
一度自分のアレルゲンを検査してみては
いかがでしょうか?
(血液検査がポピュラーです)
特に、近年は小麦にアレルギー反応が
出ている人が多いとのことなので、
その場合はパンや麺類を控えて、
日本食をメインにするのがおすすめです。