過敏性腸症候群の認知行動療法って? 第三世代の認知行動療法も
過敏性腸症候群を精神的な面から
アプローチするのが
認知療法・認知行動療法
です。
認知療法は、アーロン・ベックという
アメリカの精神科医が考案したもので、
認知行動療法は、様々なテクニックの総称です。
(ここでは、一般的によく使われる
認知行動療法という表現を使います)
認知行動療法は
ものの感じ方・受け取り方(認知)
に働きかけて、ゆがみを正し、
自信やコントロール感覚を取り戻して、
問題を解決するための療法です。
過敏性腸症候群の認知行動療法
過敏性腸症候群では、
精神的なプレッシャーを受けた時、
脳から腸への条件反射が起こります。
これが、大きなポイント。
精神的な面からそれにアプローチするのが、
認知行動療法で、現在研究が進められている
分野でもあります。
研究施設として有名なのは、東京都にある
国立研究開発法人 認知行動療法センター。
過敏性腸症候群に対する認知行動療法(CBT-IE)
の研究を進めていて、センター病院と連携した
治療を行っています(有償)。
また、サイト上で解説動画やコラムが見られるほか、
アプリ(無料)の紹介もあります。
本格的な治療ではありませんが、
認知行動療法がどんなものか確認したい、
という場合や、まずはお試しがしたい
という場合におすすめです。
第三世代の認知行動療法
第三世代の認知行動療法と呼ばれるものに
「マインドフルネス認知療法」
があります。
過敏性腸症候群のトリガー(ひきがね)となるのは、
「おなかが痛くなったらどうしよう」
という不安やプレッシャー。
マインドフルネスは、禅の瞑想の技法を取り入れ、
- 今に集中する
- 頭に浮かぶ思いを判断せずあるがままにする
ことで、自分の気持ちや考えに巻き込まれないよう
対処することができるように働きかけます。
これが症状の改善に役立つとして、
治療に取り入れる試みが進められています。
自律訓練法
- 手足が重たい
- 手足があたたかい
- おなかが温かい
などの自己暗示で、心身をリラックスさせるのが
自律訓練法です。
古くからある、リラクセーション法の一つで、
特に難しいテクニックは必要ありません。
慣れると通勤時間や休憩時間に
行うこともできます。
簡単で、短時間にリラックスできるので
時間がない方にも向いています。
最後に
実際に、認知行動療法やマインドフルネス、
自律訓練法を行うことで、
過敏性腸症候群の症状が改善に向かった
という報告も多いです。
まずは、できそうなものからはじめてみるのが
おすすめです。