過敏性腸症候群特有の腹痛を抑える薬にはどのようなものがあるか
過敏性腸症候群の腹痛をおさえる薬には
以下のようなものがあります。
下痢型に
ロペミン、イリボー
便秘型に
ガスモチン、リンゼス
などがよく使われています。
それに加えて、腹痛が強い場合に使うのが
抗コリン薬と呼ばれる種類の薬です。
抗コリン薬の働き
抗コリンのコリンとは、アセチルコリンの略です。
アセチルコリンは、神経伝達物質の一種で
副交感神経を亢進(活発にする)します。
過敏性腸症候群の患者では
副交感神経が亢進すると、
- 過剰に胃腸が刺激されて痙攣する
- 痛みを感じする
- 下痢を引き起こす
などの症状があらわれます。
抗コリン薬は、
アセチルコリンの働きを邪魔することで、
胃腸の動きを抑え、痙攣や痛みを減らす
ための薬です。
抗コリンの主な薬
ブスコパン
「ブスコパンA錠」として、
市販もされている抗コリン薬です。
ロートエキス
ストッパなどに含まれています。
そのほかに、処方薬として
- チアトン
- セスデン
- ガストロゼピン
- ダクチル
などがあります。
いずれも、
腸の過剰な緊張や痙攣をやわらげることにより、
胃痛や腹痛をしずめます。
注意事項
抗コリン薬は、緑内障、排尿障害、
重い心臓病、腸閉塞、麻痺性の腸重積、
細菌性下痢症の場合は使用できません。
特に緑内障の人は、まれですが
眼圧が上がって失明の恐れがあるため、
使用しないよう注意が必要です。
また、妊娠中、前立腺肥大、心臓疾患
、潰瘍性大腸炎、甲状腺機能亢進症、
高齢の人、高温の場所で働く人などは
使用前に医師や薬剤師に必ず相談してください。
車の運転について
内視鏡の検査を受けるときの鎮痛剤として
ブスコパンなどの抗コリン薬が
使われることがあります。
この場合、車を運転して帰らないよう
病院から説明があります。
なぜかというと、抗コリン薬には
瞳を開く作用があるため、
一時的にピントがが合いにくい状態と
なるからです。
市販の抗コリン剤を飲む際も
車の運転をしないよう気をつけましょう。